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そう言うと彼女はタバコを取り出した。
「一本いいですか?」
ダメとも言えずに頷く。
タバコを吹かす彼女はどこをどう見まごうてもキャバ嬢だ。
「あ、そうだ。明日知り合いの家でパーティーがあるんですよ。」
バッグをまさぐりチラシを引っ張り出す。
「良かったら一緒にどうです?」
はい?
「いや、身内だけでやるこじんまりしたものだからそんなかしこまることもないし。」
いやいやいや待てよ。そう言う問題じゃないわ。
「待って、昨日今日会った人となんで内輪のパーティーに行かなきゃならんの?」
「いやなんとなく。」
ずっこけそうになるのをなんとか抑える。
この人の価値観わけわかんない。
「良いじゃないですか。お近づきの印ということで。」
できたらあんたとはなるべくお近づきになりたくないんだが。
「じゃ、そういうことで。」
初めて会った時と同じように勝手に喋って勝手に終わらせた。
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