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その後、体育教師が勇んで全校生徒を追い出しにかかり(なぜか部活も早く切り上げ)私達教師御一行様は叙々苑へと繰り出した。
「でも、なんで5月後半にもなって懇親会なんてやるですかあ?」
隣を歩く細川が私に聞いてくる。
「予算が降りなかったんですよ。」
「で、この前ようやくね」
「校長が重い腰を上げたと」
前を歩く奴らが口々に言い出す。
なにはともあれタダ飯ならなんでも良い。
叙々苑に着くなり私は一人無言で肉を食らいだした。
他の女達は上品に焼いて男達に分けてあげている。
私はそれを冷ややかな目で見ながらせっせと肉を消費する。
「あの、浅野さんサラダ取ってくれる?」
隣に座っている眼鏡が私をつつく。
「はい?ああどうぞ。」
私がサラダの大皿ごとテーブルを滑らすと信じられんという顔をされた。
「女なんだから普通取り分けてくれるでしょ。」
どこからともなく失笑と嘲りの入り交じった声が聞こえた。
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