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この時初めて私の箸が止まった。
取り分け用のフォークを持ちサラダ皿を引き寄せる。
「食べたい奴が取ればいいでしょ。女がやんなきゃいけないなんて決まりはないんだから。それともなにかい?君たちは取り分けてもらわないと食べられないんでちゅか?」
おちょくるように言うと同時にフォークをサラダに突き立て自分の皿に分ける。
そしてまたサラダを押し返し肉咀嚼マシーンに戻った。
周りがざわざわとしだす。
どうせ私の悪口でも言ってるのだろう。
気にせず食べ続ける私に飽きたのかその内この話題はたち消えた。
酒と肉の効果を発明した人を私は表彰したいほど尊敬する。
ぎこちなかった教師達の会話は酒が回るにつれ騒がしくなっていき、けしからん男共も増えてきた。
「ちょっとトイレ」
急に催した私はメガネの頭を手で押さえつけ奥の席から転がり出るように表に立つ。
私もいくらか酔ったようだ。
ふらつく足でお手洗いに向かう。
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