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信じても……いいよね?
だって、いざとなったらペンダントもあるし。
「ちょっと待って。今開けるから」
着替えをした時にちょっと乱れちゃった髪を整えてから、ドアを開ける。
「ありがとう、かなた」
するっと音もなく入ってきたフロリアは、居場所がないとでも言うように、突っ立っていた。
「どうしたの?」
私も、どこに座ってと勧めればいいのかわからなくて、立ったままそう言った。
「君に……お願いがあるんだ」
いつになく神妙な顔つきのフロリア。
「……もしよかったら、かなたと一緒に眠ってもいいかな?」
「えっ?」
一緒に眠るって……?
「近頃、どうも悪夢ばかり見て、よく眠れないんだ」
「そう言えば……」
なんだか最近、いつも眠そうにしていた気がする。
「悪夢って、そんなに酷いの?」
「ああ。思い出したくもないよ」
フロリアは本気で嫌そうな顔をしていた。
「本当に眠るだけよ?」
「わかっている。今日は、何を犠牲にしても、かなたと一緒に眠りたいんだ」
本当に酷い悪夢なのね……。
フロリアに浮かない顔を見ていたら、追い出すことなんてできなかった。
「じゃあ、手をつないで寝ようか?」
「純愛っぽくていいね。感謝するよ」
「純愛じゃなくなったら、ペンダントを使うわよ? 覚悟はいい」
冗談っぽく笑っていったら、やっとフロリアも笑顔になった。
「ふふふ。愛し合っていれば、何をしても純愛だって言うけど?」
「…………」
やっとフロリアらしくなってきたのは安心だけど、自分の身がちょっと心配になってきたわ……。
「冗談だよ、君に嫌われたくないからね。もっとも、そんな風にじらされるのもそそられるものだけど」
「もう、フロリアったら!」
「わかってる。誓って、何もしないよ」
「じゃあ、灯りを消すわね」
「おやすみ」
「おやすみ」
そう言いながら、私たちはベッドにもぐりこんだ。
途端に、フロリアが手をつないでくる。
「フロリア?」
チラッと見たら、フロリアはもう目を閉じていた。
寝たふりしてるの? それとも、本当に寝ているの?
気になったけど、フロリアの安心したような寝顔がちょっとかわいかったから、そんなことはすぐにどうでもよくなっちゃう。
「おやすみ。一緒にいい夢が見られるといいね」
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