涙色アクセ

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翌日、シャワーを浴びて師匠の服を借り洗濯が終わるのを待ってる間、コーヒーを飲んで二人で窓の外を見ていた。 あまりにもスムーズにそういう関係になったのが私の中では不思議だった。 自分の中でつい最近まで清水さんが占めていたのに、考えてる時間もなく頭に浮かぶのは師匠の事が多い。 気づいたら師匠で占領されていて、でも…今までみたいにどこか寂しい感じもない。 相手が好きでいてくれる事ってこんなにも精神的な負担が軽減される。 「どうしたの?ボーっとして」 「いえ…ちょっと照れくさくて」 「そう?俺は身体見られた時点でもう飛んじゃったよ」 男の人はそういうものなのか、師匠だけなのか分からないが、いつもと変わらない様子に昨日の事が夢かと錯覚しそうだ。 「これからもっと泉ちゃんに慣れていくから安心して」 「いえ、もう十分慣れた感じに思えましたけど」 フフっと軽く笑った後、師匠は乾燥機の方に歩いて行くので私もついて行った。 着替え終わると少し名残惜しいが車で送ってもらう事になっている。 助手席の私は少し寂しい気持ちになったが、師匠には仕事もあるし無理も言えないので黙って外の景色に目をやった。 「泉ちゃんのカラット数また上がった。で、荷物取りに行ったら今日もウチに泊まる?」 「えっ!?」 「まだ付き合いたてだから俺にも飽きてないでしょ?もう少し恋人気分をしっかりと味わいたいと思って」 嬉しい一言に私のテンションは一気に上がった。 心の中を読んでくれたように、欲しいセリフを言ってもらえるなんて今までに一度もない。 「はい!お邪魔にならないように気をつけます」 「泉ちゃんの仕事道具も持ってきたら?お互いに時間を有効に使えるし」 師匠らしい言い方に満面の笑みで返した。 こんな近くに普通の恋愛が出来る人がいたなんて思わなかったが、心機一転何かしてみようと株を始めたおかげだ。 アクセ作りはそのまま頑張り、今度こそ目いっぱい恋愛を楽しみたい。 彼に溺れつつ自分のカラット数も上げていきたいと心の中でそっと思った。
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