cafe-imari

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翌日は早朝からホテルを出て、清水さんは今隣で運転をしている。昨日の事を思い出すだけでドキドキとしてどうにかなってしまいそうだ。 彼とキスをして、その続きも…してしまった。どちらかが強引に誘った訳でもなくいたって自然に。 彼の手、背中、肩に触った感覚はバッチリと私の記憶に残っている。 流れとかいう単純な事ではなく、愛情も感じたけど何となく終わりがあるような… 例えるなら不倫をしている人は、こういう気持ちを味わった事がありそうな気がする。 私は大好きになっていくけど、相手は何かあれば奥さんの所へ帰ってしまう的な寂しさ。 『もしかしたら私を選んでくれるかも』 なんて…淡い期待すら持てない切ない感じ。 こんな付き合い方があるんだと初めて教えてもらい、大人になった気分と同時に、24歳にして試練を与えられた気分になる。 「あ…そこでいいです」 「じゃあ…気をつけて。また連絡するから」 車が走り去ると私も急いで自宅に戻り、着替えシャワー、メイクにフル稼働を始めた。 ギリギリの時間だったのでバス中で妄想をしてる暇もない。 思ったよりすいていたのか、バス停についても20分ぐらいは時間があった。 本当はモーニングを食べたいところだが、移動時間を考えると噛まずに飲み込まないといけなくなる。 仕方なく諦め、飲み物だけを買ってセミナーがある部屋に向かう事にした。 『全く復習出来なかったな…』 今日と明日で終わってしまうけど、私はまだ目を付けた銘柄も買ってない。ずっとウォッチリストに入れたままだ。 「おはよう」 師匠がいつものように隣の席に座り、私も挨拶をすると「ん?お風呂入った?」と言われドキッとした。 「えぇ。ちょっと汗ばむモノで…」 「大変だね~、女の子って。それからメイクとが服選びとかするんでしょ?」 「はぁ、まぁ…」 講師が入って来たので会話は中断されたが、授業が始まって30分ぐらい経つと私のお腹が『グーグー』と合唱を始めていた。 10分休憩の時に師匠がレモンキャンディーをくれたが『全く食べてません』と言わんばかりにお腹の虫は収まる事は無かった。
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