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「ククッ。やっとお昼だよ~、早くナポリタン食べに行こうか」
「ホント…すいません」
きっと室内に響き渡ってたと思う。
講師の人も「お腹空いてる人がいるようなので、早めに休憩にしましょう」と言われた位。
カフェイマリにつくといつものように奥の席に座り、双碁さんが注文を聞きに来てくれたが「ナポリタンね。アイスコーヒーでいい?」
「はい…」
私がそう返事するとニコッとしてカウンターに戻っていった。
水をごくごく飲んで前に座ってる師匠に目をやると、考えた様な表情で私を見ているのでギクとッとして固まった。
「明日でセミナー終わるけど、何も買ったりしてないんでしょ?」
「はい、なんかバタバタしてて」
「じゃあ連絡先交換しておこうか、相談に乗れるかもしれないし」
「お願いします…」
私はメモ帳に電話番号とアドレスを渡し、お腹が満たされたら昼からは気合を入れようと気持ちを切り替える事にした。
「彼と…なんかあったの?朝からずっと様子がおかしいけど」
その事には気づいてないかと思ってたので、どう言おうか悩んでいる間にナポリタンがテーブルに運ばれた。
師匠はストレートに聞いて来るタイプだから、ハッキリ答えた方が『ふーん』で終わりそうな気がする。
フォークにスパゲティを巻いて何も言わず口に運び、チラッと師匠を見ると大人しく食事に集中しているようだった。
半分位まで食べ、自分のお腹が落ち着いた頃にボソッと呟くように言ってみた。
「お付き合い…始める事になりました」
「…そう。浜田さんが後悔しないならそれでいい」
肯定も否定もしない返事だったが、素直に両腕を上げて喜べない寂しさは隠し、少しだけ微笑んだ。
昼からはお腹の虫も騒がないし、殆ど仕上げに入りつつ今までの復習も盛り込まれていたので、あとは買ってみるだけだな…と心の中で思いながら内容を聞いていた。
最後の日も実際に買ってる人が講師に相談したり、私も買う銘柄をみせて相談したり『質問メイン』で終わったが、皆が一番聞きたい所なので時間はあっという間に過ぎていった。
師匠とバス停まで並んで歩いてると、自転車を押しながら「たまにあの喫茶店でミーティングしようよ。双碁も喜ぶし相談にも乗れるから」
優しい言葉を掛けてもらい、私も頷いてバスに乗るとお世話になった師匠に手を振って別れた。
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