涙色アクセ

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ショックが大きすぎて、私はそれから一週間位外にも出ず、以前買っていた物で空腹を満たし誤魔化している生活。 今日もソファでゴロンと寝そべっていると、師匠からミーティングのお誘いのメールがあったが、今はそんな気分にはなれないし暫く冬眠生活でヘコンだ心を癒したい。 この傷がすぐに癒えないのも、今までの経験上良く分かっている。今回は特に大好きだった彼からフラれたのでショックは大きい。 「でも…タクシー代という名の慰謝料貰った気分…」 今回は予定があると断りのメールを送った直後『手伝って欲しい事もあるのでお願いします』と更に返信されてきた。 師匠にはお世話になってるし、そこまで言われると引きうけるしかない。 仕方なく『分かりました』と入れると昨日殆ど何も口にしていない事を思い出し、お腹が悲鳴を上げていた。 習慣づいた生活はどんな状況でも無意識に行っているもので、シリアルをかじった後はシャワーを普通に済ませベッドの中に入っている。 「3キロ位痩せたかも…」 失恋という名のダイエットは毎回経験しているので、大体の目安はついている。 まだ立ち直ってないのに作り笑い出来るかな…と少し憂鬱になりながら目を瞑る事にした。 翌朝パチっと目が覚めた私はトマトジュースを飲み、買い置きしておいた食材がほぼ空になった。 どちらにしても今日買い物に出なかったら、餓死してたかもしれない。 支度を済ませ、久々にセミナーに通っていた時のバスに乗る。外に出るのも一週間ぶりなので、眩しい日差しに耐えれず日傘を持参した。 一応化粧もしたし外に出れる服装だけど、みんな白基調のヒラヒラした洋服で、黒1色のワントーンコーデな私は『不幸オーラ』が出ている気がして恥ずかしくなる。 バスを降りると、足早にカフェイマリに向かいドアを開けた。 「いらっしゃい」 双碁さんが優しい顔で出迎えてくれると、それだけで涙腺が緩みそうになる。 「今日は暑いしリコピン摂る為にトマトジュースにしといたよ」 「有難うございます…」 頑張れるだけの笑顔を作ってカウンター席に座ると 「見ただけで何があったか分かるけど…マジで俺にしとけば?」 いつも冗談っぽく言ってくるのに、今日は目がちょっと真剣な気がした。私も傷ついているので思考能力も低下している。
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