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自宅に戻った私はそのままアクセサリー作りに没頭した。チャームが取り外せる工夫をし、単品でも可愛く見えるようキラキラとしたチェーンも選んだ。
キャッチを付けると中々の仕上がりで、涙型のチャームを通すと光を取り込んで虹色に輝き、気分も上がるし季節的にも丁度いい。
「チャームを変えると季節感なく使えるし、楽しめそう…」
サンプルを写真に撮ってアップし、後は同じ物を作っていくのみ。個数を作る内に涙を流した回数がピアスに変わったみたいで、元気を貰えた気分になった。
失恋とか恋の終わりに、励みになるようなアクセにしたいという願いを込め涙型のピアスは完成した。
余ったチェーンでネックレスを作り、チャームを一回り小さい物をチョイスすると、セットでつけても素敵だったので追加でアップ。
「こうなるとブレスレットも欲しいな…」
結構余分にチェーンを買っている事に気づき、ブレスには更に小さな涙型のチャームを通すと、さり気なく手元で揺れて私好みの一点に仕上がった。
「ブレスもアップしとこう」
何点か仕上がると、休憩してコーヒ―を飲みながら、アクセサリーホルダーに飾ったサンプル品を見つめていた。
それぞれ涙型のチャームが角度によって表情を変え、キラキラと輝いている。
「涙型だけど、こんな涙なら見ててもパワー貰えそう」
せっかく種類を作ったので『涙色アクセ』のシリーズを増やす案も頭に浮かんでいた。
チャームに金色のプレートを追加したり、イニシャルのモチーフも可愛い気がする。
「暫く恋愛はお休みにして、頑張ってみるか」
アイデアと同時に商売根性に火がつき、いつもの私に戻れそうな気がした。
その日をさかえに、手芸店やラッピングのお店を回り、商品の在庫を増やしネット通販に力を注いだ。
一週間ほど経った頃、師匠から連絡が入りカフェイマリでナポリタンを食べる約束をした。
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