Ｃａｒａｔ

Ｋｕｓｓｙ

今日は靴を貸して貰ったが、通い始めるとなるとマイシューズは欲しい。

あとは洗い替えのウエアも揃えておきたい。他の三人も可愛いウエアを着ていたし、自分のテンションも上がりそう。

同じ一階のスペースだが、入り口は別で店内も広く目移りしそうだった。シューズは意見を聞いたほうが早いと感じたので、店員を呼ぶことにした。

「サイズはどの位ですか？」

「２３か３.５位です」

履いてみると、私はこの靴は２３の方がしっくりときた。ついでにこの人に、ウエアのアドバイスも貰ってしまおうと目をつけていた商品を指差して、どれがいいか聞いてみた。

「軽くて速乾性があるのはこちらのシリーズです。デザインも黒地にピンクの控えめなラインが入ってて、可愛いと女性に人気なんです」

「じゃあ、それでお願いします」

自分のいいと思った商品が売れ筋だと聞くと何となく気分もいい。すっかり満足して店を出たが、明日からはドキドキの株のセミナーだ。

私は基礎編で５回通うコース。初日でついていけなかったら？社長クラスのおじ様しかいなかったら？と不安は膨らんでいく。

とりあえず、あまりカジュアルすぎない格好で行けば何とかなるのだろうか？

「ネット証券の口座はいくつか開設したし…自分の気になる銘柄もピックアップしたからこんなもんかな？」

チャートを見てもチンプンカンプンで用語も知らない状態で始めるのは不安だし、お金を捨てるようなものだ。

初心者でも参加オッケーだったので、大まかな内容だけでも把握しておきたかった。

明日の準備が整うと、気になるのはやっぱり清水さんの事。今日はあまり話せなかったし、まだ情報も少ない。

キュンと自分の中のゲージが一気に上がるパターンで片想いがスタートすると、今までだと大体上手くいっていない。

前回フラれた彼も付き合い出して数ヶ月しか持たなかった。なんで？という位ビジネスとは反比例してしまう。

結果ネットのお店で一年くらい忙しくしていたので、次の彼もすぐ見つかっていない。

いいな！と思っても次は慎重にと決めた筈なのに、懲りない女と自分でも呆れるけど、そんな私もいいかな…なんて自分に甘いのも悪いのかもしれない。

転んでもタダでは起きない…というが私の場合は『転んだらそのまま暫く死んだフリ…』すぐに起きなくても、自分のタイミングでという自由奔放な思考をしている。