涙色アクセ

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「あ、あのぅ…。それってどういう解釈をすればいいんでしょうか?」 「どういうって?」 質問返しをされてしまい、自分から確認するのが恥ずかしくなってくる。 「深い意味はないけど…って事なのか、そうでないのかイマイチ分からなくて」 「あぁ…深い意味って事だよ勿論。分かりづらい…かな」 師匠の目の下の辺りが少し赤くなるのを見て、恐らく彼氏的な意味があるのだと思う。 指輪を買ってたという事は、計画はいつから考えてたのかと想像し、なんだか可笑しくなってきた。 「ん?なんで半笑いなの?」 「あ…すいません。なんか師匠らしくないっていうか、無理されたのかなって思うと…」 「…師匠って!?俺そんな存在なの!?」 『しまった!ついクセで出てしまった!』 いつも私の中だけでの呼び名なのに、気が緩んだのかつい言ってしまう。 間が悪いというか、私が鈍臭いというか…今の空気には相応しくない気もする。 「でも悪くないかも…師弟関係とか、先生と生徒な雰囲気だと、禁断な恋って感じだもんね」 「…はぁ…」 やっぱりこの人は少し変わってる。 前向きなのか、漫画の読み過ぎかは分からないが、思考が少し変わってる所が魅力な気もする。 「あっ!いいカフェ発見。浜田さんああいうの好きそう」 山の入り口付近にポツンと建っているが、造りはグレーの壁でマンションの様なオシャレな趣だ。 メニューの看板がなければ、カフェとすら気付かないし、パッと見はジュエリーショップみたいだ。 「一人では入れないけど、浜田さんとなら大丈夫。限定のケーキもあるみたい」 「行きます」 事前に調べてくれてたり、私が好きそうな物がある場所に連れて行って貰えるのは感激してしまう。 今までだと私の役割で、彼が行きたそうな場所を調べたり、相手が希望するお店に行ったりが多い。 『私の為』という特別感は、お姫様扱いされてる気分で心地いい。 しかも相手は師匠なので、普段しないが無理をしてくれたんだと思うと嬉しさも倍増した。 師匠について階段を上がると、ブラウスと黒のベストをキッチリと来ている女性が、ドアを開けて笑顔で迎えてくれた。
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