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ユーラフリカ大陸中東共栄圏。
かつてここにはキャラバン教という宗教が誕生した。アジア圏最大の隊商がヨーロッパで聖地教という宗教団体の聖書を入手し、インスパイアされて独自の一神教を生み出した。
100年前の<神々の傅き>まではテロリストを多く生み出したほどの世界規模の宗教だったがピラミッドパワーズに併合されてからは誰ひとりとしてキャラバン教の敬虔な教徒は存在しない。
中東共栄圏湾岸部にある大監獄。
ここはユーラフリカ大陸に潜入したNCIA(NASA中央情報局)の工作員や旧宗教の残党を収監しておく。ここにオイチは拉致されて投獄されたのだ。
〓オイチ〓
「へい? ここはどこねー?」
オイチはトュエルのピラミッドパワーの睡眠効果で2日間以上熟睡していた。身体の疲れはじっくり抜けたが目覚めたら薄暗い牢屋だった。
目覚めた瞬間、自分がどうしてこうなったかを思い出す。
〓トュエル〓
「エセ忍者。目覚めたんかいな?」
折の向こう側に古代エジプト文明の民族衣装を纏うトュエルと神父2名がいる。
〓オイチ〓
「へいトュエル!! ここはどーこでーすか?」
〓トュエル〓
「呼び捨てするとはいい度胸やな!! ここはピラミッドパワーズ本国の中東共栄圏にある大監獄や。ワイは宇宙軍の機密情報を聞き出すために拉致ってきたんや」
〓神父A〓
「トュエル・ブーケ三佐。看守長より、聖地から通信パワーが入っているそうです」
〓トュエル〓
「了解した。今から向かうさかいな。オイチちゃんよ~~。尋問するからのう。それまで楽しみに待っとけや!! そこの背徳者と同じ科学を愛する者同士仲良くせ~や。ほなな!!」
トュエルは重臣の神父2名をつれてどこかへと去っていく。
〓少年の声〓
「ということであります。クノイチのお嬢ちゃん殿。よろしくでありますな」
オイチは声の方向へ振り向く。そこには白衣姿でアフロ頭でサングラスをかけている東洋人がいた。正確にはオイチと同じ日本人の末裔だ。
〓オイチ〓
「へい!! ユーは誰ね!!」
〓マゴロク〓
「そう警戒しないでくれでありますよ。吾輩は科学と人類の平和を愛する豊川孫六(とよかわまごろく)という科学者でありますな……」
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