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木陰から恵理が飛び出て来ると、私に飛びついて来た。
A
「助けて―」
B
「どうしたの?」
A
「あいつに噛まれた―」
恵理が指差す方を見ると、血の気の無い顔をした男がいて、私達の方へノロノロと近寄って来る。
もしかして、世界のあちらこちらで発生しているゾンビ?
A
「痛いよ―」
恵理の体をよく見ると、左脇腹に血が滲んでいる。
私はすがりついて来る恵理の手を振り解き、近寄って来る男の方へ蹴り飛ばした。
狙い通りに恵理は、男の差し伸べる腕の中に収まる。
男は悲鳴を上げる恵理の髪を鷲掴みにして、その首筋に食らいつく。
B
「ごめんね、ゾンビに噛まれたら終わりなのよ」
私は助けを求める恵理に一声かけてから、学校に向けて走り出した。
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