0人が本棚に入れています
本棚に追加
「メイド服のアイドルって変わってるよね」
のあはペンライトをマイクのように、かれんの方に向けた。
まるでインタビューをしているようだ。
「これは、ゴスロリ! ゴシックロリータなの!!」
かれんは胸元に手をあてて言った。
黒を基調としたアンサンブルには、白いレースをふんだんに使っている。
のあは、しきりと首をかしげている。
残念ながら、のあにはメイド服とゴスロリの区別がつかなかったのだ。
のあたちがいるのは体育館の舞台袖。
舞台衣装に着がえた生徒たちが、ここでおとなしく出番を待つことになっている。
なにしろ今日は学園祭。
みんなの日ごろの練習の成果をお披露目するのだ。
期待半分、不安半分。生徒たち。そんな複雑な表情を浮かべていた。
のあだけが違った。
のあの恰好はTシャツにデニム。
とても舞台衣装には見えない。
そもそも、のあはAD係のひとりだった。
最初のコメントを投稿しよう!