学園祭アイドル

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「メイド服のアイドルって変わってるよね」  のあはペンライトをマイクのように、かれんの方に向けた。  まるでインタビューをしているようだ。 「これは、ゴスロリ! ゴシックロリータなの!!」  かれんは胸元に手をあてて言った。  黒を基調としたアンサンブルには、白いレースをふんだんに使っている。  のあは、しきりと首をかしげている。  残念ながら、のあにはメイド服とゴスロリの区別がつかなかったのだ。  のあたちがいるのは体育館の舞台袖。  舞台衣装に着がえた生徒たちが、ここでおとなしく出番を待つことになっている。  なにしろ今日は学園祭。  みんなの日ごろの練習の成果をお披露目するのだ。  期待半分、不安半分。生徒たち。そんな複雑な表情を浮かべていた。  のあだけが違った。  のあの恰好はTシャツにデニム。  とても舞台衣装には見えない。  そもそも、のあはAD係のひとりだった。
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