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「すみませーん、1分待ってくださーい!」
のあはAD係に声をかけた。
それから、のあは、かれんのハイソックスを下ろし、足首に手早くテーピングした。
かれんは黙って、のあの動きを見ているだけだった。
のあがハイソックスを元通りに上げると、テーピングは分からなくなった。
とはいえ、ケガが治ったわけではない。
かれんは痛む足首に手を置いて、床に座ったままだった。
「これでオッケー。さ、いくよ、かれん!」
なんと、のあが王子様のような衣装をまとっていた。
「のあ、いつの間に!?」
もちろん、かれんはびっくりした。
「のあちゃんの特技、早着がえでーす! ってわけで」
のあはサッとかれんを持ち上げた。
お姫様抱っこだ。
「ちょっと、のあ! 無茶しないで!!」
かれんはあわてて身をよじる。
が、のあはしっかりかれんを抱えていた。
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