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~仁木伊織~
自分の思いを告げた後、俺は泣き腫らした愛梨を連れ、土手の上を歩く。
一体どうなってんだ!?
これは夢かと疑いたくなるが、愛梨は俺の左手をギュッと握っている。
「夢じゃないよな」
「……違うよ」
もう、どうにかして忘れるしかないと思ていたのに、まさか愛梨が会おうと言ってくるとは、準備ができているはずもなく、本当にビックリだった。
俺達はもう、簡単に離れていく運命だとばかり思っていた。
「工藤とは別れたわけ」
「ちゃんと……自分の気持ちを伝えておいでって」
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