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「そっか」
寝起きらしい愛梨は、素顔のままで高校の時とちっとも変わらない。
登り始めた太陽が、俺達を照らし始める。
愛梨の目じりの涙が、キラリ宝石のように輝いた。
「まだ泣いてる」
「……ごめん」
「長かったよな、二年半。これまでの気持ちを振り返ったら、俺もウルッとくるね」
言いながら腰を屈めると、そっと愛梨の唇に自分の唇を重ねる。
「……涙の味がする」
「愛梨が泣くからじゃん。しょっぱー」
笑いながら、愛しくて。
今度は長く、唇を重ねた。
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