今、想いを紡いで

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 工藤の隣で手を重ねる有希が、キラキラした瞳で俺を見る。 「私、今だったら心からおめでとうって言えるよ」 「……俺も、有希と同じだから」  有希のついでのようにだが、工藤もおめでとうと言ってくれ、はれて俺は愛梨と同じ時間を過ごすことになった。 「そういえば、伊織君、一色さんの部屋入った?レトロで凄く素敵なアパートらしいよ」 「ちょうど今から行くとこだけど」 「おい仁木、付き合って早々、愛梨に変なことするなよ」 「言われなくても分かってるし」  新しい時間が、始まろうとしている。  インターホンを鳴らして愛梨が出た瞬間、暫く見ていなかった笑顔で飛び出してきて、本当に、愛しいなと思わずにはいられなかった。
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