54人が本棚に入れています
本棚に追加
~仁木伊織~
「雪が降ってきた」
ツンと冷えた街の中、当たり前のように手を繋いで歩く。
巷で有名なイルミネーションスポットは人がごった返していて、中々楽しむことができない。
人にも揉まれ、小さな愛梨は誰かの背中しか見えないだろうに、気の毒になる。
でも、俺と目が合うと”寒いね”と言って、笑顔を見せた。
時間を刻む毎に、愛梨はよく話をするようになった、出会った頃は控えめ過ぎて心配する程だったのに。
「……帰ったら、クリスマスパーティーだね」
「愛梨の料理、すげー美味しいから楽しみ」
最初のコメントを投稿しよう!