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うっすら目を開いた愛梨が──初めて、自分からキスをしてきた。
だが、唇に熱を感じた瞬間、打って変わりパッと目を見開いて離れられた。
「わっ……私、今……」
「俺のこと好きって言って、チューってしてきたよ」
「……や、やだ」
「何でやなの」
逃げようと立ち上がろうとした愛梨を引き留め、今度は自分がキスをする。
「俺も愛梨のこと、好きだよ。大好き」
吐息が漏れ、愛梨は顔を赤くして、やがて目を閉じる。
指を絡め、優しく首筋に唇を当て、その柔らかな体にそっと触れた。
「愛梨も好き?」
「……うん、好き」
これまでの思いを全て晒すかのように、その夜初めて、俺たちは体を重ねた。
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