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「男から見ても、蓮登さんってかっこいいなぁって思います。
オーラ、ダダ漏れですよねぇ」
後ろ姿を目で追いながら、うっとりした口調で空が言うので、奏はからかい半分に返す。
「そうやって、皆でナンバーワンをもりあげてるのね」
「そういうことじゃないですよっ。
もちろん、いつかは追いつけ追い抜けなんですけど……。
蓮登さんはとてもじゃないけど、別世界の人にしか見えません。俺だけじゃなくて皆そうだと思います。
ナンバーツーの蘭丸さんだとそうでもないんだけど……」
思わずそう言うと、ハッとしていたずらっ子の如く唇に手を当て、軽く肩をすくめてみせた。
ナンバーワンを目指すとか、ホストを目指すというより、まず自分の客が誰かを認識し、その人を気持ちよくさせる話術でも身に着けるところから始めた方がいいんじゃないかしら。
奏にとってはもう、空は大学生の後輩くらいのポジションにしか見えなくなっていた。
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