#視線

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会社を出た間宮くんは足を止めたかと思うと、 まるで誰かを探すように辺りをキョロキョロと見渡しだす。 ―――私を探してる? そう思った矢先に誰かから電話が掛かってきたらしく、 ポケットから携帯を取りだし話しだした。 誰だろう。 声を掛けるタイミングを完全に逃してしまった私は 不思議に思いながらも遠目でその様子を見つめる。 電話は1分にも満たないものだったが、 電話を切った間宮くんは深いため息をひとつつき、 駅とは逆の方向へと歩きだした。 私には残業だからと言っていたのに、 誰かと約束でもあったの? 間宮くんの言動に一抹の不安が過ぎる。 前に経験したことがあることだから 過剰になり過ぎているのかもしれない。 ―――どうか、私の勘が外れますように…… .
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