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間宮くんには大丈夫だと言ったけど、
やっぱり気になってて今日1日、
周りばかり気になっていた。
だけど拍子抜けするくらい何もないし、
視線らしきものも感じない。
「ほら、やっぱり気のせいだ」
まるで自分に言い聞かせるように言いながら安堵のため息をつく。
誰かに見られているかも、
と思うから見られているように感じてしまうだけで、
実際は誰も私なんて見ているわけがないんだ。
そう思えると気持ちも軽くなり、
やっと仕事にも身が入るようになった。
「涼子さん、まだ終わんないんですか?」
すっかり帰り支度を終えた間宮くんが
私の机の上の書類を見ながら確認してきた。
「んー、もうちょっとかな?」
そんな間宮くんをチラリと見ながら曖昧な返事を返す。
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