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「今朝の事もあるし、やっぱり何かあった?」
隣の席に腰を下ろし、
私の手を取り自分の方へと向けると
真剣な眼差しで見てきた。
―――何もない……
確証があるわけじゃないから、
そう言おうとした。
でも偶然にしても突然に感じ出した視線に
私は不安を拭い切れずにいた。
「―――気のせいかもしれないんだけど」
「うん」
不安げに口にする私に間宮くんは
優しく訊き返してくれる。
「やっぱり誰かに見られているような気がするの。
今朝は会社の人かもって思ったけど、
昨日も友達と居る時に視線を感じた気がしたし」
間宮くんの優しさが強がっていた私に弱さを覗かせてしまう。
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