ドッキリからのドッキリ

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 雨上がりの帰路。愉笑(ゆえ)は前を歩く転校生の少女に気付いた。 (よーし、脅かしちゃお)  クラスでもイタズラ好きで通る愉笑。後ろから声を掛け振り向いた瞬間、傘を広げ水滴を飛ばしてやろうと企んだ。  猫背のまま傘を構え、ニヤけながら少しずつ近付いて行く。そして距離が6メートルに差し掛かった、その時だった。 「貴女、何故そんな変な歩き方をしてるの?」  突然、転校生と愉笑の間を歩いていた黒髪少女が話し掛けてきた。それは愉笑の中学の生徒会長だった。 「え、いや、そのー」  答えあぐねていると、チラリと転校生が振り向いた。  愉笑は驚き、慌てて誤魔化そうと、 「いえーい会長! 今日も快調かい!?」  突然ジャンプし、着水。泥水が会長の生足に付着した。 「……貴女ね」  笑顔のまま口元をヒクつかせる会長。当然、愉笑はこれでもかと叱られた。  その様子を見ていた転校生は、道端に咲く紫陽花の様に鮮やかに微笑んだ。
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