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僕は違うページに書いてしまった二種類の彼女の首筋のメモを、まとめて綺麗に書きなおそうとした。その間にみんなが彼女をサークル室の奥へと連れてってしまった。
彼女の周りに人だかりが出来ている。
みんなは僕と違って彼女の体に書かれた文字列には興味が無いらしく、彼女の存在自体に盛り上がっているようだった。
確かに彼女は周りをそうさせる外見を持ち合わせていた。
気も早く「歓迎会だ!」と、机の下や、棚の上の至る所からお酒やおつまみを集めてきた。
大きなテーブルにそれらが集められる。
ただ単にお菓子を食べたかった奴や酒を飲みたい奴らが、歓迎会と称して、彼女がまだ離れた場所で囲まれていのにも関わらず宴会を始めた。
テーブルに自分の作品を置いていた奴らが、雑に端のほうに寄せられたことに、文句を言いながらしぶしぶ、自分の作品を安全な場所へと避難させていた。
僕は、どうしても今メモした文字列が正しく書きとれたがどうか知りたかった。
もう一度彼女に近づこうと、みんなの輪に加わった時、
「ごめんなぁ。マサキ暗号オタクでさ。興奮する場所がちょっとおかしいんだよ。
だからソレみておかしくなってんだ。」
と、サークルで一番おしゃべりな奴が冷やかした。
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