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「今までと、なんだか体の仕組み事態が違うような…、上手く説明できないんだけど、こう、この世界に体が馴染んでいるような……」
それって、もしかして……。
でも、まさk……よね。
「ふふ、もしかして君も同じことを考えた? だけど、魔法はそのまま使えてるんだ。だから、どっちなのか僕にもわからない」
「そうね……。確認のしようがないものね」
「そうだね、でも、これからずっと一緒にいれば、それは自然とわかることだからね。さて、その前に、まずは君の愛の確認を……」
「フ、フロリア、ここ、外だし……誰かに見られたら」
腕の中でささやかに抵抗するけれど、フロリアは離してくれない。
「いいじゃないか、僕たちが幸せだって事をみんなに見せつけてあげればいい」
そう言って柔らかく微笑むフロリア。どこまで本気なんだか。
「……もう」
「こんなに僕を夢中にさた責任は、ちゃんと取ってもらわないとね。どうする? もう君が嫌だと言っても離さないかもしれないよ?」
「そんなことないわ。私がフロリアを嫌になることなんて絶対にあり得ないもの」
「絶対か……そんな言葉なんて意味がない物だと知っているけれど、かなたが言うと信じられる気がするよ」
「……フロリアったら」
フロリアの胸に顔をうずめると、フロリアは私の顎に手をかけて、上を向かせた。
「僕の命を救ってくれて、ありがとう」
そう言って、私の唇にそっとキスを落とした。
「……ふふ、じゃあ行こうか」
「ええ。でも、本当にフロリアが開けるの? ちょっとだけ……怖いな」
握り締めた手の中には金属の破片。
それは……フロリアがくれた、小さな、銀色に光る羽のかたちをしたピアスだった。
今日はこれをつけるためにピアッサーを買った、その帰り。
「まかせておいてよ。それにね、何度も言っただろう?」
「え?」
「初めてのキス……かなたの初めてはすべて独占したいんだ。……さて、次は僕にどんな初めてを見せてくれるんだい?」
フロリアは、悪戯っぽくウィンクをした。
「う、うん……」
おばあちゃん、私の王子様は、とっても独占欲が強くて困ってます……。
「そのかわり、僕のすべてをあげる。 ずっと、ずっととけない恋の魔法を君にかけてあげる……」
甘い甘い声で囁く王子様。
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