入学者、リィタ

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入学者、リィタ

「今年はどの位、この教室に入った?」 「32名程入りました」 「ふむ……少ないな、それでサンプルになりそうな者はどれ位居る?」 「それは……ほぼ全員です」 「そうか、これで少なかったら笑えん所だったな」 「普通ならむしろ、使い物にならない方が少ないと思いますが?」 「それもそうだな」 「ただ、今年は使い物にならない者の内に一人厄介な者が混じってます」 「それは誰だ?」 「例の『遺跡狩り』ですよ」 「奴か……確かに厄介だな……いや、奴自身では無く、奴の師匠がだが…」 「弾きますか?」 「理由が無い……表向きは来る者拒まずだから、ここで弾いたら返って疑惑を深める事になる」 「では……どうしますか?」 「当面は泳がせておけ、どうせ暫くは我々も本格的に行動する気は無いからな」 「解りました」 「まぁ、念のため監視は付けろ」
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