入学者、リィタ

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マーリィが降りてくる間にリィタはさっさと寝間着を着た。 「明日の準備は出来たの?」 マーリィはリィタの机の上に置いてある鞄を見ながら質問した。 「うん、大丈夫よ……マーリィは出来てるの?」 「私は大丈夫よ……ほらっ」 リィタの質問にマーリィは自分の机の上に有る鞄を指差して答えた。 「……にしても、この部屋で二人は狭すぎよ」 マーリィは部屋を見渡して言った。 「そうだね、ベットと二人分の机で部屋の半分が埋まっちゃってるなんて…」 リィタも、肩を落として溜め息混じりに答えた。 「まぁ、昨日今日学院に入ったばかりの新参だから仕方無いと言えば仕方無いか…」 マーリィもまた肩を落として言った。 「位階も最底辺のサードメイジだしね」 マーリィに追従する様にリィタは呟く。 「正直、ラモニック魔導学院の寮だから多少は期待してたんだけど……見事に裏切られたわ」 若干憤慨しながらマーリィは言う。 「まぁ、でも位階が上がれば待遇も良くなる筈、明日から頑張ろ?」 「そうね、そうと決まれば今日はもう寝ましょう……初めての講義で寝坊したなんて格好悪いし」 マーリィとリィタはカンテラの火を消して、それぞれのベットで眠りについた。
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