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ユーリアが鋭く叫んでから、人間の耳には聞こえない鳥笛を力一杯吹き鳴らした。そんなユーリアの指示にリディアが戸惑ったが、そんな彼女の頭を押さえつけながら、アルティナが床に伏せる。それとほぼ同時に、開け放っていた窓から、相当数の夜行性の鳥が飛来し、男達に襲い掛かった。
「ギュェーッ! グワッ!」
「ギィイーッ!」
「キュイ、キシャーッ!!」
「なっ、何だ!?」
「うわあっ!! 顔が! 目がっ!!」
「叩き落とせ!」
予想外の援軍に、リディアが呆然とする中、男達が群がってくる鳥達に狼狽している隙に、ユーリアとグレイシアは奥へと続く扉に向かって走り、そこに入って扉を閉めながら、アルティナに声をかけた。
「鳥達は光っている剣や、目を狙って攻撃しますが、少しすれば自然に居なくなります。あとはお任せします!」
「ええ。中から鍵をかけて、絶対開けては駄目よ!?」
「分かりました。お気を付けて!」
そして言われた通り、内側から施錠する音を聞いたリディアは、扉の前で気を引き締めた。
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