2、変わらぬ日々

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今日の昼食は、この少し溶けたようなほうれん草のお浸しと、生姜が効きすぎの生姜焼き。硬めの御飯が好きな僕には少し辛い、水が多めの柔らか御飯。そして追い打ちをかけるように、しょっぱい味噌汁。言わずもがな、最悪だ。けれど。 「やばーい!これ不味っ!」 デジャヴ。何が面白いのか、ケラケラ笑う女子。たしかに不味い。けれどそれを口に出してケラケラ笑う女子は、僕にとって昼食よりも最悪な存在だった。胃がズッシリと重くなる。 だから笑顔を貼り付ける。 「頑張ったんだしさー、まぁまぁじゃん?それにこれ、生姜が効いてて僕は嫌いじゃないよ」 「そう?そうかな~?でもそう言われるとたしかにそんな気もしてきたかも!」 溜息を吐きたくなる衝動を、柔らかい御飯と一緒に飲み込んだ。 何より最悪なのは、自分のこの性格だ。 「はいはい、イケメンイケメン。これだから彼女持ちは!」 けれど今さら、口を尖らせたアホ面のこの友人のように真っ直ぐ生きることも難しく思えて。 「なんだそれ」 やっぱり笑うしか出来ない。 けどこのアホ面はなかなかで、何も考えずに笑うことが出来た。 「そういえば俺さ~、今日は部活ないんだ!お前ヒマなら一緒に遊び行こうぜ」 「いいけど、家は手伝わなくていいの?」 こいつは寿司屋の息子だ。それも跡を継ぐ意思を持った。の割に、バスケなんて指に悪そうな部活に所属している。 「遠い親戚の結婚式に父ちゃんと母ちゃん出席するから、臨時休業~!」 アホ面で二ヒヒと笑う友人に付き合って、駅前をぶらぶらする事にした。 しかし暑い。風が吹いたところで、熱風が動くだけで何の足しにもならない。街全体がサウナに変わったみたいだ。
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