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回る。
廻る。
回って、
廻って、
回り続ける。
歩き、ロウソクを渡す。そのロウソクを渡し、また自分の番が来るのを待つ。
それを繰り返していると確かに体も温まる。男は自分の提案が上手くいった事に喜んだ。
さて、空も白み始めた頃、外の音が静かになっているのに気付いた。外を見てみる。吹雪は止み、太陽が顔を見せていた。
荷物をまとめ、出発の準備をする。『提案が上手くいって良かった』と思う。しかし、心の片隅に何かが引っかかっていたが今は気にしないことにした。
ずっと、ずっと引っかかっている。あの山小屋から帰ってきてから。男は考えた。何があるのか。自分は何が気になっているのか。
そして、気付いてしまった。『それ』に。
A地点の人がB地点へ。
Bの人がC地点へ。
Cの人がD地点へ。
Dの人がA地点へ。
Aの人が・・・いない。そこで途切れてしまう。そう、これは5人いないと出来ないのだ。では、なぜ続いたのだろうか?5人目がいた?どこに?男にロウソクを渡したのは『誰』なのだろうか。真相は分からない・・・
さて、どうだったろうか。割とこの話は有名だろう。これは『四隅の怪』と名付けられている。いないはずの5人目が現れる、というものだ。
次の話へ行こうか。君はこんな話を知っているだろうか。これは友達の友達から聞いた話なのだが・・・
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