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「で?お前はどうしたい?」
答えてないのに、答えたことになっている雰囲気で、その先を促される。
「弟と付き合いながら、俺のことも離したくないって感じ?」
多少のニュアンスの違いはあるにせよ、言葉どおりだ。
俺はyamaさんを強く見据えて、大きくうなづいた。
一瞬、yamaさんは驚いたような顔をしたが、すぐに真顔になった。
「お前、中々、したたかなやつだったんだな。」
睨みつけられている訳ではないが、背筋が伸びる。
踏ん張らなきゃいけない。
「妥協したくありません。
二兎を追う者は一兎をも得ず、と言われるかもしれませんが、そもそも、最初から、一兎しか追わないやつは、一兎しか手に入れられない。二兎を追わきゃ二兎は手に入れられないんです。」
言い切った。
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