魔道具の恐怖

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「始祖属性・・・・・・って、そんな凄い効果が有るの?」 僕がそう問いかけると、鼻に皺を寄せてガイが言った。 『ああ。俺様も、魔力に目覚めてから病気をした事が無かったからな。姉や妹達が多く病気になっても、俺様だけはピンピンしてた。まあ・・・・・・修行って名目で結構な無茶はやったから、怪我は多かったけどな』 ガイの言葉に、僕は苦笑した。 僕も似たような物かな。病気は無かったけど、確かに怪我は沢山した。 自分で治療のような事が出来るようになってからは、随分無茶もした。 だって、そうしなければ手に入ら無い薬草も有ったから。 崖の中腹とか高い樹の上とか洞窟の中とか深い谷の底とか・・・・・。 今のように知識を増やしてからならば、随分と危険も少なかったと思うけど、当時は本当に手探りだったからねえ。 誰も教えてくれ無い・・・・・・誰も知ら無い・・・・・自分だけが頼り。 そんな状況下だったから仕方ないよね。よく無事だったと思う。 ユーグには随分助けてもらったし。あの子の逃げ足や機動性は凄いと思う。 今でも助かってるからね。でもきっと、あれぐらい無いと始祖龍と一緒には居られないのかもね。 そんな気がする。だって、始祖龍だよ?凄い龍って噂だし。ガイも大変だったって言ってるし。 どんな龍なんだろうね。凄く楽しみでもあり、怖くもある。 けど、何よりもガイと別れるっていう事が今の僕には辛いかな。 どっちにしても、ガイのあの魔法を僕が使いこなせるようにならないと、話にならない。 アレが自由に使えるようになってからの話だから。 未だに発動すら出来ていない。普通の魔法使いに扱えないって言うのが分かるよね。 あらゆる属性の最上位の魔法を混ぜるって感じの魔法だから。 慣れれば魔力はそんなに多くは必要無いって、言ってたけど、とにかくコントロールが大変なんだよね。あれは。 まあ。そんな回想はさておいて、再び水の底を見て僕は言った。 「とにかく、危険が無いなら行ってみるしか無いよね。ガイも大丈夫なんでしょ?あの中央から降りる?」 僕は湖のようになってる中央を指差す。 そこがおそらくは貴族の屋敷だった場所じゃないかな?一番高い建物が有った場所。 だから、水の底の苔の高さが一番高いんだよね。水面との差が余り無いんだ。 ガイもそれを確認して頷いた。 『そうだな。おそらく元凶は屋敷の中だろうし。あそこから降りるか』
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