魔道具の恐怖

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僕は苦笑をして、ガイを見た後で男性を見て言った。 「貴方がこの現状を作り出したんですよ?分かって居ますか?」 僕の言葉に僕を睨みつける男性。 「何を言ってる!お前は侵入者なんだぞ!分かってるのか!」 そう怒鳴るように言って睨みつけてくる男性が、怒りが溢れ出したんだろうね。思いっきり床に足を打ち付けた。それと同時に大きな音が聞こえた。男性は慌てた様子で周囲を見回す。 「な?なんだ?何が起きた?」 僕は魔力球で確認しながら言った。 「崩壊が始まったようですね。失礼します」 僕は男性を魔力球でつつむ。 一瞬で魔力に包まれて宙に浮く事になった男性は驚いて魔力球の中で暴れる。 「何をする!貴様!私を誘拐でもするつもりなのか!クソ!何故誰も来ない!そ、そうだ!娘が突然崩れて・・・・消えたって言うのに・・・何故!」 瞬時に僕は全てを察した。ああ。そっか。そういう事なんだと。でも、彼だけは影響を受けなかったんだね。全部あれのせいなんだろうけど。チラリっと彼を見た後、僕は周囲を確認して自分も浮かび上がる。それと同時だった。今しがたまで僕達が立っていた床が砂のように崩れ落ちて行ってしまった。宙に浮いた状態で男性は唖然っと崩れた床を見つめる。 「こ、これは!貴様!何をした!どうやって屋敷を破壊したんだ! 第一この苔のような物はなんだ!」 男性の声に僕は溜息をついた。 「あのですね。僕は、言いましたよね?依頼が有りまして、此処に来ました。フリーダムと言います。此処はポッド町で間違いありませんよね?」 僕の問いかけに何を言ってるんだって顔をする男性。僕は溜息をついて周囲を確認しつつ魔力球を操作する。周囲は限界を迎えたんだろうね。苔に覆われた物がまるで砂のように崩れ落ちて行き始めた。全てが形を無くして崩れて行く。サラサラ・フワフワと、舞い落ちるように沈んでいく全ての苔。僕は宙に浮かんだまま移動する。勿論、僕の足場は魔力球。水中だと思うんだけど、全然そんな感じは受け無い。何だろうね。これ。僕は既に原型を留めなくなって来ている屋敷だった物から、外に出た。外も街だった物が次々に崩れ落ち始めていた。男性は愕然とした表情で街を見つめる。あ。その男性の屋敷は街の中央だったけど、一番高台だったんだよね。だから、街の様子はとっても良く見えた。 「こ・・・・これは一体!」 愕然とした表情で叫ぶように言う男性。
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