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「如何様な力があろうと、全ては僕の持つどれかに過ぎない。殺せぬ制度だからと、僕に触れれば、その身が滅びよう。心の臓さえ動いていればいいのだから、やりようは、いくらでも……」
「……はっ……はっ……はあっ……!」
過呼吸のように息を吐き、泣きそうな顔の氷魔法使い。僕の嘘は、彼女の心を穿っている。
可哀想だが、手を抜く理由にはならない。
このままキミの心を斬り伏せ、素直な広告塔になってもらはねばならない。
「……そんなに怯えることはない。出来るというだけだ。キミたちには、しやしないさ。僕のお願いを聞いてくれるのなら」
氷魔法使いは、首が取れそうな勢いで頷く。
「……しかと聞け。キミたちは、学友たちにこの名を絶望と共に知らしめろ」
どうか、僕という夢幻の王を、
「僕の名は舌崎凡人。僕の能力群の名は『ムゲン王』。決して潰えず、限りの無い力を統べる者の名だ」
無限の王と曲解しておくれ。
「さぁ、今ここに、連合『ムゲン王』が勝鬨を上げよう」
僕が、ゆっくりと腕を上げ、
「ムゲン王の深淵に抱かれ、眠るといい。次目覚める時、キミたちの役目を果たせ」
振るう。
「ゆめゆめ、忘れることなかれ」
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