其の一

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「観月~ジャージ貸してくれ~」と耕平がクラスに来た。耕平はC組、俺はB組。 「観月、耕平が呼んでる」と言ったのは、クラスメートの猫田美依、とても元気な女子だ。 『んあ~、洗濯してないけど。』 「観月君、今日初めてのお言葉」とクラスメートの犬山銀が言う。こいつは少しチャライ。  「ええよ、観月は臭くない。むしろいい匂いがする」 俺は、どっこいしょとやっと体を動かし、 ロッカーに行って、耕平に渡した。 「観月は、2限目終わった頃から起き出すよな」 と島梟理が言う。 それを黙って見ているのが烏丸隼人。 俺の周りは何故か動物系の名前の奴が多い。 いつの間にか周りに集まって来る。 どうしたものか。
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