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「やっぱり、被害者だと思う。いざっていう時守ってくれない人はダメだ。加害者になりたくないなら自制すればよかったのに。それが出来ないような男なんてバカだよ。別れて正解だったよ」
さっきまでの表情と打って変わって、河西は子供みたいに笑った。
「彼と奥さんの間には子供がいないの。だから子供が出来たらね、私の方だけを向いてくれるかと思ってたんだけど。数ヶ月前の自分の浅はかさに笑うわ。安全日っての信用しきっちゃう男にも、笑う……。私だっていつが安全日かなんて、知らないのにね」
「俺も、どうしようもなくつまんない嘘吐いたことあるよ。そうじゃなきゃ振り向いてもらえないんじゃないかって、彼を繋ぎとめておけないんじゃないかって、その時は真剣に思ってたから。今思うと、彼を信用出来なかった自分が弱いだけだな」
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