その①

2/12
前へ
/75ページ
次へ
とある田舎の村。   綺麗な川。綺麗な山。   涼しい風。綺麗な空気。   「…おーい!またこんな所で寝て…。桜? お父様がお呼びだぞ?」   「…んッッッ…もうちょっといいでしょ? 昨日遅くまで書物読んでて…まだ眠い…」   桜…と呼ばれた少女は、大きなアクビをしながら、言った。   その少女の兄らしき少年は…呆れながら言った。   「そんなんだから…お父様に怒られるのだぞ? 女が1人、昼間に出歩くなと言われてるだろ? いつ、戦がはじまるか…」   桜は言った。   「はいはい。お兄様。 今から帰ります。困らせるつもりはありませんから。」   「よし。帰ろう。」   桜の兄は、妹の手を取り起き上がらせた。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加