その①

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桜は起き上がると、着物についた土をはたいた。   …ピー ピピピ…   桜は呟いた。   「…あっ…鳥だ! いーなぁ鳥は。自由で。桜も、いつか思いっ切り自由に生きたいなぁ」   先に歩きだした、兄を小走りで追いかけた。   「ねーお兄様。お兄様は何になりたかった?」   「そーだね。もし…もし体が丈夫だったら…。 お父様やお母様、妹や弟たちを守れるような、剣士になりたかったな…」   「お兄様…。」   桜は…ちょっと考え意を決したようにハッキリと言った。   「お兄様?ちょっと村のかわら版屋に付き合ってください」   「ん?いいけど、桜は読み書きがほんと好きだね」   桜は…ニコニコした。
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