その①

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朝がきた。 桜は1人家を飛び出し、宿屋をめざした。昨夜の話を聞いていたのだ。   宿屋に着くと、息を整えて部屋にむかった。 宿屋の主人に聞いた通り2階にあがった。   近くの侍の裾を引っ張った。   「ん?なんだ?なんの用だ?」   「あの!殿様の奥方になりたいのです!」   侍は桜の頭から足まで何度も見渡し、吹き出した。   「馬鹿な!!…さっさと帰るがいい!」   「使者の方に会わせてください!」   「何を馬鹿な…おい!この娘をつまみ出せ!」   と、他の侍に告げた。   「はい!」   と言うなり桜に迫った。   桜はヒョイとかわし柱に隠れた。   ドタバタしていると、襖が突然開いた。   「なんだ?騒々しい!!静かにしないか!」   侍たちが、緊張した。   桜はこの人が…と思い顔を見た。
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