最終章:一生、俺のそばにいてください

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「なんか、食べるか?おまえ、最近冷蔵庫の補充してないだろ」  座っている獅子ヶ谷をそのままにして、冷蔵庫を開ける。これとって食料もない。以前、買い置きしておいた冷凍うどんがあったと思うが、と冷凍室の引き出しを開ける。 「そういえば、おまえ、年末年始は実家に帰らないのか?」 ガサガサと探しながら、獅子ヶ谷に声をかける。 「……」 「要は元気してるか? 年末年始おまえに会えないと寂しがるんじゃないか」  急に返事がしなくなったので、顔をあげるとさっきまでいたはずのリビングに獅子ヶ谷はいなかった。 「ハムちゃん……」 「わっ、なんだ。びっくりし……」  すぐ後ろに立っていた獅子ヶ谷がぎゅっと後ろから大輝を抱きしめた。 「ん、どうした?」 「ハムちゃん……」  抱きしめてくる腕はすがるように強い。まるで怯えた子供のようだ。 「早く言って」 「ん?」 「白鳥さんと……会ってきたんでしょ」
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