第1章 囁きは秘め事の如く

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 麻衣は当然とばかりに勝ち誇り、一方沙織は悔しい表情を見せるが、年上の矜持か取り乱さなかった。  騒ぎを最小限に収められたのが、不幸中の幸いだ。  こんな騒動があった夜。  ーーそろそろこいつとも潮時かな。  情事の後、鳴海の隣で幸せそうに眠る麻衣を見つめながら、そんな非情なことを考えていた。
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