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「ね、メグ、あーんして」
従順な子どものように、メグが小さな口を開ける。
そこに、ポッキーを差し込んだ。
「口閉じて。そのまま。噛んじゃだめだよ?」
こくんと頷くメグに顔を寄せて、俺はポッキーの反対側を口に含んだ。
メグが目を見開く。
何をするんだ、と言わんばかりの驚いた顔に、俺は笑みが溢れる。
「ポッキーゲーム。知ってる?」
「……うん」
「もしかして、したこと、あるの?」
知識はあっても、真面目な恵が経験者なはずがないと、たかをくくっていたが、まさか……。
「ないけど……真聡はあるよね」
まさかの逆質問、それも回答前に断定されて、一瞬言葉を失う。
「えっと……はい。あります、けど」
「女の子でしょ?」
「でも、たいがい男ばっかだよ? くだらない遊びだもん」
「でも……真聡、かっこよすぎるから、きっとうれしかった男の子もいるよね……」
「いや! 断じてそれはないから!」
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