長谷川望愛編 《またな!》

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同僚と気が付いても。 私たちはほぼ初対面。 会話なんてあるはずもなく 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 無言が続く、息が詰まる状態。 --- やっぱり帰りたい。 もくもくと瓶ビールをじか飲みするしか 間が持たない。 静寂を打ち破ったのは低音ボイス。 「名前は?」 「はい?」 いきなり放り投げられた言葉に反応するも 「お前の名前!」 威圧的に問いかけられた。 「・・・・・・・・・長谷川」 頭に来たから名字だけ告げると 「長谷川(はせがわ)望愛(のあ)か」 --- ちっ。知ってんなら訊くなよ。 「あんたは?」 おそらく彼の方が年上だろうけど。 敬う気持ちは全くナッシング。 「如月(きさらぎ)世飛(せと)」 「セト?」 食い気味に訊き返した私に驚いている。 「世界を飛ぶで世飛」 「世飛・・・へえ~」 思わず頬が緩んじゃった。 「なんだ?」 真横に座ってても気が付いたのか 怪訝そうな顔でこっちを覗き見ている。
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