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「あのな。ここからはマジメな話だ」
今までは余興だったようで。
真剣な顔をして南條さんが話し始めた。
「あ、はい」
俺も、つい姿勢を正していた。
「美雪ちゃん。
あれから誰かに付け狙われたりは?」
叶大さんが訊いて来たことに
「あれからですか?
真理子が逮捕されてからは大丈夫ですね」
意味が分からないけど、そう答えると
「まず最初にさ、この間俺が美雪ちゃんに
この店の前で偶然会ったんだよ」
そう話し始めたのは叶大さん。
なんでも、美咲さんに用事があって店に来ると
美雪たちが、数人で昼を食べに来てたそうで。
「驚かそうと思ってさ、隠れてたんだよ。
その時に気が付いたんだけど。
美雪ちゃん、男に尾行されてた」
いつもおどけた感じの叶大さんの印象だったけど。
今は、ものすごく真剣な顔だ。
「尾行ですか?」
驚いて、テーブルに手を強めについちゃった。
音が鳴るほど、皿やコップがぶつかり合ってた。
「俺と同じようにさ、
建物の陰に隠れてるのを見つけたんだよ。
気になったから、そのまま見てたんだ。
美雪ちゃんたちが会社に戻るとき
その男も後をくっついてったぞ」
「・・・・・・・・・・・」
何も言えずに、無言で叶大さんを見ちゃってた。
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