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「大丈夫?かからなかった?」
あたしの前の席に座る男性に心配されるほど、トレーの上が味噌汁の水たまりが広がっている。
「大丈夫です。手にはかからなかったようです」
落ち着きのない子だと思われてませんように!
「俺らは同じ鉄鋼本部の海外をメインとした営業をしている部署で
俺が志村淳史。一応祐介と同じタメで課長ね」
「俺も同じ鉄鋼海外営業の木村隆司(りゅうじ)、和美とタメね」
「俺も海外営業の鳴沢和文、同じく和美のタメ」
「あたしも海外営業の補佐の三村エミ。茜の一つ上になります」
「あ、ではあたしの一つ上になりますね。あたしと茜は同い年らしいですから」
「うっそ~。茜と神倉さんが同い年とは思えない!茜!歳をサバ読んでんだろう!」
「ちょっと鳴沢さん!失礼な事を言わないでくださいよ!罰としてエビフライを没収します!」
手に持つ箸2本を鳴沢さんの本日のメインの、最後の1本のエビフライにブッ差す茜に、みんなが笑っている。
ひとり、それを阻止しようとしている鳴沢さんは、怒りながらもそれを容認している所が窺えるから、もしかして?
ふふふ、と、まだ不確かな事案で一人ニヤケていると、目の前の志村課長にも見られていたようで
「っぷ」と、小さな声で吹き出されてしまったわ・・・・
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