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11階、12階、13階と志村課長に案内してもらって、それぞれの部署の課長や部長とご挨拶を済ませ
最後に14階の更衣室を抜かして自分たちのフロアに戻って来た。
最後まで階段踏破をやり遂げた連帯感が生まれている気がする。
「お疲れ様でした志村課長。我が儘に付き合って下さってありがとうございます」
「俺もいい運動になりました。お疲れ、神倉さん」
こちらの部署は、国内と海外の営業課しかないので、挨拶はすでに社食で済ませてしまっている。
先に海外営業の部署が手前にあるので、志村課長にお礼を言って別れると、
そのまま歩を進めて、自分の部署へ。
「ただいま戻りました」
前の席の粟野課長にひと声かけてからデスクに戻ろうとすると、
「案内してもらえた?」
「はい。階段で行ってまいりました」
「あは、階段だったんだ。明日、筋肉痛が出ないように保養しておいた方がいいね」
「はい。仕事に支障が出ないように気を付けます」
笑顔で話された言葉には、自然と笑顔で答えている。
少しゆっくりと帰ってきてしまったお咎めはなさそうで、ひとまず安心できた。
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