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「神倉、こっちだよ」
「あ、すみません。お待たせしました」
途中入社してから、週末まで無難に仕事をこなせたようで
あと数時間すれば、やっと週末の連休に入る。
二日目からは、粟野課長と一緒に営業先に連れて行っていただいて、ご挨拶させてもらいながらも都内の道を案内していただいている。
「どうだった?今の会社は」
「そうですね。社長が替わったばかりだと仰ってたので、まだぎこちないのかと思ってましたけど、そうでもなかったですね。
秘書の方と営業の方たちとの連携も素晴らしかったです」
本日最後に訪れた会社は、つい最近社長が甥っ子さんに変わったばかりだと言う。
それを感じさせない位のスムーズさで粟野課長と商談が進んでいた。
「そうだな。もともと前の社長に付いていた秘書からの社長に成り上がったから、違和感もなしに働けるのかもな」
「下で働く立場から言わせていただければ、不自然さがなしでトップが替わってくれるのが理想ですね」
「あは、なんだか何処かで経験してきたような話しぶりだな」
「あ、そんな事は・・・・・」
不要なひと言は、自分の首を絞める行為だと戒めよう。
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