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2人で帰社すると、手前の海外営業の部署が志村課長お一人しかいない。
「あれ?珍しく三村がいないみたいだな」
こちらの営業補佐は三村さんおひとりのようで、一人で全員の補佐を務めるのは大変だと思う。
「そう言えば、今朝から姿を見ていない気がしますね」
話しながらも自分たちの部署に向かって歩くけど、その途中で電話が鳴り響いているのが気になって、つい見てしまう。
「わたしが電話を取ってもよろしいですかね?」
鳴り響いてはいるけど、志村課長も電話中ではほかに取る人がいない。
「おそらく英語で話して来ると思うけど、大丈夫?」
「はい大丈夫です。英語も常用してましたから」
「じゃあ頼むよ。難しい事を言われたら、あとで折り返すって言って必ず相手の名前を聞いといてね」
「了解しました。じゃあちょっと行って来ます」
許可を戴いて部署に入らせていただき、早速一番手前のデスクの電話を取り
【お待たせいたして申し訳ありません。MK商事海外営業です】
【申し訳ない。フランス語しかできないのだが大丈夫かな?】
英語で受けた電話は、お相手がフランス人なのかフランス語しかできないご様子。
【はい、フランス語でも大丈夫でございます。わたしはこちらの担当ではないので、詳しいお話はできませんが、お伝えする事は出来ますので、そちらでもよろしかったらご用件をお承ります】
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