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「あぁ~。楽しかったぁ!」
「よかったな。俺も楽しかったよ」
南條さんたちとお宅のほうに移動してから
少しして家に帰ってきた。
大迫は泊って行くらしい。
美雪もそうしたかったみたいだけど
あの話を聞いた後では
俺のほうが認めてあげることができなかった。
「今度また来たときは
お泊りしてきてもいい?」
「ああいいよ。
今回は何も用意してなかっただろう?」
「うん。じゃあそうする!」
大迫が泊まってくことが決まったとき
美雪にそう説明して連れ帰ってきた。
先に寝室に行かせた美雪が寝たのを確認した後
自分のパソコンをリビングに持ち込み
『高崎喜伸』で検索をかけてみた。
19年前の事件。
当時38歳の美雪の父親と36歳の母親。
就寝中を襲われたらしく
2人とも寝室で刃物で殺害されていたのを
翌日、訪れた香田さんの父親によって発見された。
警察も駆け付けたあと
家じゅう美雪の捜索を始めると
すぐに寝室の押し入れの中で発見された。
意識を失ってはいたが無傷で。
犯人が押しかけた時に、美雪だけ、
父親に押し入れに押し込まれて難を逃れた。
そのため犯人も見ていなかったそうで
その後、犯人が見つかってはいない。
時効が廃止された今
昔と違って捕まるのを恐れて暮らしているだろうが
なぜ、今になって美雪を付け狙っているのか。
自分が捕まる恐れがあるかもしれないのに。
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